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全日本高校模擬国連大会〔All Japan High School Model UN Conference〕
グローバル・クラスルーム日本委員会が主催し,ユネスコ・アジア文化センターと国際連合大学が共催する高校生の模擬国連大会。毎年11月に国連大学(東京・渋谷)で2日間にわたって開催される。各高校からの参加人数は数名に限られ,かつ事前に課題を提出して審査される一次選考(書類選考)がある。この大会では表彰が行われ,上位に入賞したチームはニューヨークで関催される模擬国連国際大会に日本代表として派遣される。
全国高校教育模擬国連大会(AJEMUN) 〔All Japan Educational Model United Nations〕
全国中高教育模擬国連研究会が主催し,毎年8月に都内で開催される高校生の模擬国連大会。会議の準備・運営を全国から募集した高校生の実行委員と役員を務める高校教員が担い,500〜700名規模(4〜5つの議場)で2日間にわたって行われる。各高校からの参加人数はある程度の制限が設けられているが一次選考はなく,初心者(初級者)を対象とした会議も設けられるので,だれでも参加できる大会となっている。
フロント〔Front〕
会議の議題を設定し,議題概説書の作成や大使の国割りなどの準備を進め,会議当日は議事進行や決議案(DR)の内容確認などをおこなう。フロントは通常3名から構成される。
①会議監督〔Director〕
…議題を設定し議題概説書を用意したり, 大使の国割りをおこなったりして会議の準備を主導する。会議当日は,議事進行をサポートし,トラブルなどに対応する。
②議長〔Chair〕
…会議当日の議事進行を担う。開会宣言や出欠確認モーション(動議)の募集,DRの投票など時間内に会議が終了するように差配する。
③秘書官〔Secretary〕
…スピーカーズ・リストや, モーションの内容などをPCに記録する書記の役割を担う。会議によっては副議長(Vice Chair) と表記されることもある。
大使〔Delegate〕
基本的には2 人一組で担当する。その場合はペア・デリゲーツ(Pair delegates)という。会議によってはダブル・デリゲーツということもある。もちろん一人だけ(Single) の場合も3人で1国を担当する(Triple) 場合もある。
アドミニ〔Administrator〕
フロントと連携して会議の運営をサポートするスタッフ。主に会場準備やメモ回し,印刷された決議案(DR) の配布などを担当する。アドミニが不在か少ない場合は,顧問教員や見学生徒も手伝うことがある。
オブザーバー〔Observer〕
非政府組織や民間企業など会議で発言権はあるが投票権がない団体や組織。
会合〔Meeting〕
会議(会期)はいくつかの会合に分かれておこなわれる。1日会議では,午前と午後の間に昼食時間を設けるので午前を第一会合,午後を第=-会合と分けることになる。しかし,高校生レベルではあまり意識されてはいない。
議題概説書〔Background Guide 通称:BG〕
議題についての概説書であり解説書。基本的には次の内容で構成される。
①議題設定の理由
②議顆に関する現状分析
現在の議題に関する状況や, 国連など実際の会議でこれまで議論されてきた経緯。
③会議での論点
今回の会議で,どのような論点を話し合えばよいかという指針と,逆に時間の都合で話し合ってはいけないことを明記。
アウト・オプ・アジェンダ〔Out of Agenda〕
議題によってはあまリに専門的なことや議謡にはふさわしくないことがあるため,前もってBGで論点にしない内容を明記しておく。その項目や内容のこと。
ポジション・アンド・ポリシー・ペーパー〔Position & Policy paper 通称:PPP〕
ポジション・ペーパー(Position paper 略称:PP) ともいう。大使が担当国の国情や政策などをリサーチしてまとめた文書。フロントからの質問形式で回答していく場合と,自由に記述していく場合がある。PPPとPPに大きな違いはない。
ネゴシエーション・ペーパー〔Negotiation Paper 通称:NP〕
自国のスタンスや政策を簡潔にまとめたビラ。討議に際して自国の紹介も兼ねて配布する。NP を禁止している会議もあるので,事前に配布してよいかを確認するとよい。
会議細則
会議ごとに適用されるルールや注意点をまとめた文書。とリわけ決議案(DR) の握出に必 要なスポンサー(賛同国)の数や,スピーチやモーション(動議),投票などの方法につ いて説明したもの。
プロシージャー〔Procedure〕
会議の議事進行の方法やルールなどをまとめた文書。会議の流れや進行方法を説明した もので会議細則と一体になる場合がある。
ロール・コール〔Roll-Call〕
議長が1力国ずつ出席の確認をすること。国名を呼ばれたら,大使は机上のプラカードを掲げて返答する。
公式スピーチ〔Formal Speech〕
各国大使がスピーカーズ・リストに記載された順に,登壇しておこなうスピーチ。フォー マル・ディベート(Formal Debate) ともいう。議題に関する各国のスタンスや会議でのコ ンセンサスによる解決などを訴えることが多い。
スピーカーズ・リスト〔Speaker's List〕
公式スピーチの順番が記録されたリスト。会議中はプロジェクターで投影して表示され る。スピーチの順番は,議長の呼びかけに応じてプラカードを掲げた国(大使)が,議長 からランダムに選ばれて決定される。
スピーカーズ・リストの開放〔Opening of the speaker's list〕
公式スピーチを希望する大使の募集。議長が任意で希望する大使を指名してゆき秘書官 がリストに国名を掲載する。このリストに掲載された順番でスピーチがおこなわれ,リ ストにある国がすべてスピーチを終えると会議が終了となる。よって,会議途中でスピ ーチする国がなくなると判断される場合は議長の判断で追加の開放(再募集)がおこな われる。
動議〔Motion〕/ 申し立て〔Point〕
どちらも公式スピーチの合間に,議長の呼びかけに応じて大使が挙手で発言を求める行 為。討議を具体的に進める方法として,大使が議事進行の方法を提案するときに「モーション!」といい,議事に関係なくても質問や異議申し立てなどがある場合に「ポイント!」 といって指名してもらう。モーションが複数の場合,数か国が指名されて決議にかけら れるので,指名されずに終わることもある。
着席討議(モデレーテッド・コーカス)〔Moderated Caucus 通称:モデ〕
着席討議という意味。すべての大使が着席したまま,一定時間(10〜20分捏度が目安)内で討議する。討議する内容,全体の時間と各国大使の発言時間は,動議のなかで提案しておく。進行役は,議長でも提案国でもよい。
非着席動議(アンモデレーテッド・コーカス)〔Unmoderated Caucus 通称:アンモデ〕
非着席討議という意味。自由に立ち歩いて討議してよい時間。時間は動議のなかで提案されるが,30〜40 分程度のことが多い。すべての大使が希望すれば延長(10分程度)も可能。この時間に大使どうしの個別交渉や決議案の作成がおこなわれる。時には昼食時間を兼ねることもある。
メモ回し
離席できない動議の最中やモデ(着席討議)の時間に,他国の大使へのメッセージをメモに記入して,最寄りのスタッフ(アドミニ)に渡して届けてもらうというもの。簡単な伝達やアンモデでの交渉の呼びかけなどが記入される。スピーチや投票のときにはメモ回しが禁止されるのが通例である。
ワーキング・ペーパー〔Working Paper 通称: WP, ワーペ,作業文書〕
決議案(DR) の草稿段階の文書。通常はDR と同じ書式で作成する。スポンサーが集まらずDRが出せないときWPのままで投票にかけられることもあるが可決されても正式な文書とはみなされない。
決議案〔Draft Resolution 通称:DR〕
議題についての解決策や方針などをまとめた決議前(草稿段階)の文書。可決して採択されれば「レゾ」(Resolution) となる。スポンサー(Sponsor〕議案として握出することに賛成した国。なかでもリーダーシップをとった国がメイン・スポンサー(Main Sponsor) となり. 質疑応笞に際して代表国として回答する。
ディレク・チェック〔Director Check〕
提出された決議案に不備や誤りがないか会議監督などフロントが校正すること。スポンサーの数が必要数を満たしているか前又と主文や項目ごとの内容に矛盾はないか論点外(Out of Agenda) にふれていないかなどをチェックする。決議案の修正案〔Amendment 通称:アメンド〕 決議案の修正案。一度提出された決議案を再度の討議や交渉などをもとに文言を修正して提出された案。
コンバイン〔Combine〕
2つ以上のDR を統合すること。一度の会議でDR.1とDR.2 の2 本のDRが提出されたとき,一本化が可能ならどちらかをベースに統合することができる。この場合はDR.1とDR.2を統合して新しいDR.3をつくるのではなく,ベースとなるDRにもう一方の文言や内容を含ませてDR/Rev (ベースとなるDRのアメンド)が作成されたとみなす(DR.1 がベースならDR.1 / Rev.1 となる)。よって, 残ったもう一方のDRが撤回される(DR. 1 / Rev.1ができたらDR.2 が撤回される)。
点呼による投票〔Roll-call vote〕
議長がl 力国ずつ指名して投票の確認をすること。国名を呼ばれたら,大使は粗上のプラカードを掲げて返答する。返答は,Yes / No / Abstention / Pass の4種類で,Pass は1巡目のみでかつ2巡目でYes / Noのどちらか(Abstentionは不可)を返答しなくてはならない。
全会一致を確認する投票〔Consensus voting〕
全会一致を確認する投票。1 国でも反対票が挙がれば自動的に点呼による投票に移る。
挙手による投票(無記録投票)〔Unrecorded voting〕
議長が賛成・反対・棄権のいずれかを問うので大使はプラカードを挙げて意思表示する。どの国がどのような慧思を表示したのかという記録はとらず, それぞれの投票数だけで判断される。
決議(可決された決議案)〔Resolution 通称:レゾ〕
国連の公式文書となるもの。